
今を去る1千百余年の昔、元正天皇の御宇行基菩薩がこの地にこられて留錫持念し給うた霊場であります。
その後、弘法大師が中国より御帰朝の後、この地に一宇の草庵を建立し自ら一刀三礼坐像等身の薬師如来を刻み本尊とせられました。本堂に向い左方に鎮守堂があります。その横を登ること八丁余りで奥之院がある。本尊阿弥陀如来を、おまつりしてあります。
大師が八十八ヶ所の霊場御開創の砌、本尊様に奉げる清水がなく附近を尋ねると大きな杉の根元に清水が湧き出ると思われ、御持参の独鈷で加持するとたちまちに清水が湧き出て本尊様に御水を捧げることが出来たと伝えられ、現に年中絶えることなく清水が湧き出しております。これを世人は大師の加持水又は独鈷水と呼び喜んで持ち帰り加持用に又薬と共に服用し、古来御利益を受けたものが数知れずいると伝えられて居ります。
結願所ではお大師様の納められた三国伝来の錫杖でお加持を受け金剛杖を納め無事巡拝出来たことを感謝します。なお錫杖でのお加持は予約してください。又、金剛杖も必ず納めるというのではありません。
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