心に向き合う・四国遍路

高野山・奥の院 そして再び、お大師との“出会い”。

 

ありがたや たかののやまの いわかげに だいしはいまだ おはしますなる

西暦835年3月21日、弘法大師空海は高野山金剛峯寺で入定した。

その大師は今も、生きてわたくしたちを救済していると言われている。

お大師が生きているとは、どういうことなのか。

わたくしたちは、すでに四国遍路を通じて、大師とともに歩み、
その支えを心に感じながら、ここに至った。

この間に感じた「支え」は、わたくしたちの生の続く限り、そしてこの道を歩み続ける限り、
消えることなくこの胸の奥にあり続ける。

旅を終え、深閑とした高野山の奥深くにひとり佇み来し方を振り返るとき、
わたくしたちは、支えあい慈しみあう事によってのみ存立しうる、

かけがえのない私、かけがえのないこの命、生きるということを、初めて知ることができるだろう。

大師は、自らの不死を力強く宣告することによって、
救済装置としての四国遍路を完成させた。

そして今なお、わたくしたちの生へのエールを、
永遠に発し続けているのである。